迷路で拾った記憶
2005.10.11 ( Tue )


 ずっと 睨み付けていた 変わり往く色彩の流れの中で

 失くしてしまった 運動靴の片割れを 右手にぶら下げて

 沈み往く 時間の流れを 睨み付け堪(こら)えていた。
 

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 「ねえ。 もう あの子 還っちゃうんだって。」 と背中で 誰かの声がした。

 母に叱られることよりも もっと辛い悲しみに耐えていた。


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 伸びた影が あともう少し長かったら あの子を引き止める事が できたのかもしれない。

 これは きっと誰かの記憶で ぼくの記憶じゃない。



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 ひとりぼっちになってしまう不安な記憶 

 おいてけぼりにされた悔しい記憶

 とりのこされてしまった寂しい記憶

 ぼくの中で また記憶が迷子になってしまった。





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