「おだまり!」と心の中でつぶやいてみた。
2008.06.14 ( Sat )


   生まれたての朝の光は ちっとも落ち着きがなく
   古びた団地の隙間を 風息とともにあわただしく駆け抜ける。 







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   小鳥の囀りとともに ベランダに置かれた洗濯機のモーター音がせわしなく 時を焦らせている。
   ゴンゴンゴンって脱水の始まったドラムの唸り声が 順調に響きだすと
   誰も彼もが後ろから押し出されたように 団地の階段を駆け降りてくる。

   ちょっとだけ太陽の位置を確認しては 同じ軌跡を描いて流れてゆく。





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   そんな時の流れに逆らうようにファインダーを覗いてるぼくは 
   後ろめたさを引きずっていて
   犯罪者の心理に近づいてゆく気がしているんだ。

   いつもの朝の風景に似付(につか)わしく無い 異物に出くわしたような
   そんな視線を感じている。





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   誰かが咳をするたび 窓をあける音がするたび
   ありふれた朝の騒音が 責め立てているようで
   後ろめたさを引きずった 臆病なぼくは
   まるで野良猫のように こころが一瞬 立ち止まってしまう。






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   そんな ぼくを追い払おうとするかのような 咳払いが聞こえてくるたび
     
   「おだまり!」って心の中でつぶやいてみるんだ。
   自分の心の中にある なにかに向かって問いかけるようにして。







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   おだまきの花は 朝の風息に右に左にと翻弄されている。    


      おだまき!







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Canon PowerShot S3 IS






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