BADRUN:

 

     
      
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結  界
2010.02.28 (Sun)




   傷つけまいとして言葉を押し隠していたら いつしか あなたの景色が遠くに霞んで見えた。








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   何を守ろうとしていたんだろう いつしか それすらも判らなくなってしまったみたい。
   いつだって 傷つくのは怖いもの 気づいてはいたんだけどね。
   結局 自分を守っていただけなんだってね。
   







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   そびえ立つ鉄塔に張り巡らされた送電線のように 四方八方 結界をむすんでいたら
   いつしか そこから出れなくなったのは 僕みたい。

   すこしの自由とわがままが欲しかっただけなのに そう都合よくはいかないみたい。
  




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Canon PowerShot G11

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東京の雪
2010.02.26 (Fri)

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東京の雪は積もるはじから ビチャビチャと だらしなく融けてゆくのです。












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ぼたぼたと降る雪の夜は 思いのほか暖かくて
厚く張りつめた雲のほころびから 光りが滲みはじめたのです。 

そのほころびは次第に大きくなって 
融け始めた月が顔をのぞかせたんです。

少しばかり残っていた暖められた大気が 
月の光に向かって 一斉に駆け出して行ったんです。









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地表の熱を奪って 見る見るうちに 小さなほころびを押し広げ 
夜空に小さな光りの数を増やし 夜空一面 
凛とした藍色に染め上げたのです。









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熱を奪われた大地は 一瞬にして凍りの中に 時を閉じ込めたんです。 










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ほんのわずかな時間 そして永遠に果てしない時間 
街は シンと静まりかえったのです。










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Canon PowerShot G11

雪の朝
2010.02.25 (Thu)

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東の空にオレンジ色の目覚まし時計が ゆっくりと昇り始めると
凍りのなかに幽閉された時は動きだし あっちにと こっちにと 
雨だれの音を不規則に 撒き散らかしはじめた。









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シャク シャクと シャーベットを食(は)む靴の音が
いくつも 近づいて来ては遠ざかってゆく。


『なんの花ですか?』 サラリーマン風の青年が尋(たず)ねた。
『ロウバイの花です』
『ロウバイですか。毎朝 綺麗だなって思っていたんですけれど 
 今朝は一段と綺麗ですね』 







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『この辺りからが 最高ですね』
携帯のシャッター音を 二つ三つ軽快に鳴らし 
携帯画面を満足そうに眺め 『どうも』 の言葉を残して
駅へ向かう道を シャーベット食む音が 足早に遠ざかって行った。







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大切な人に 見せてあげるのかな。
それとも めげた時 自分の心に見せるのかな。









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東京の雪は待つ時を許さず 悲しいくらい あわただしく先を急ぐのです。








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Canon PowerShot G11

常念岳
2010.02.24 (Wed)




遠くから白鳥の鳴き声が響いてくる。
寒さをこらえる 叫びのように聞こえる。
人を傷つけたであろう過去の記憶が 頭をもたげるたびに
心が軋(きし)ませる音にも似ている。

暗がりの中 道に迷った僕だって 
芯まですっかり冷え込んで 目的も忘れて道草ばかり。 



Canon PowerShot G11

花 (はなかんざし) 簪
2010.02.21 (Sun)














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RICOH GX200

迎賓館の雪
2010.02.19 (Fri)













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CASIO CA004

荒野に転がってる宇宙に入り込め
2010.02.18 (Thu)














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 そう ぼくは 真実を撮ろうなんて これっぽちも思っちゃいない。 

 うそで固められた 自分のこころを剥ぎ取ることで 精一杯なんだ。

 だから こんなちっぽけなカメラで 十分なんだ。











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RICOH GX200

夢 餓 霧 中
2010.02.10 (Wed)



夢の中で いつも 何かに追われ 必死に逃げ回っていた。












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夢の中で 見つからない何かを探して いつも苛立ち焦っていた。
そして おびえていた。 理由もなく。


だが 年を重ねるうちに 夢の結末を書き換える術(すべ)を 身につけていた。
そう 自分に都合のいいようにね 自分を納得させるために。








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買ったばかりの液晶テレビの画面から
あきらめずに頑張れば 夢は叶うなんて感動の涙を誘う話がこぼれてくる。
そう たしかに実話かもしれないけれど 画面が綺麗すぎて異次元のことみたい。

今朝もまた 『宝くじは買わなければ 当たらないんだよ』 なんて 
ありきたりのことを 友達は得意げに言っている。









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  どんなに複雑に考えたって 向かう方向はひとつなのだから 答えをもたずとしても 走ることはできる。








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Canon PowerShot G11

UME
2010.02.05 (Fri)

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『殺風景な公園だねぇ』

公園の遊歩道に沿って植えられた 三又(みつまた)の植え込みの向こう 青年に付き添われて お年寄りが歩いてくるのが見えた。

その歩みは 太陽が落とす光りが生み出した 影の速度と同じくらいの ゆっくりした動きのように思えた。
しかしその声は驚くほど大きく 自分が耳が遠いことを自覚しているようで 相手にも大きな声で話しかけているようであった。

たしかに 数年前に整備されたばかりの公園は 一面 芝生が敷き詰められていて 先の住宅が見渡せるほどで 視界を遮るものはほとんど無かった。

だが ところどころに植樹された まだ背丈の十分でない樹木が 四季折々 きれいな花を咲かせてくれることを知っている。


『何かい これはネコヤナギかえ?』
うっすらと柔らかそうな産毛にくるまれた 膨らみかけた三又の蕾を見ているのだろう。
青年は黙ったまま 柔らかそうな笑みを浮かべている。 
きっとこの花の名前を知らないのだろう。

『何かい これはネコヤナギかえ?』
歩みを進めて また お婆ちゃんは問いかけた。
その答えから逃れるかのように
『高野さん ほら あそこに紅梅が咲いていますよ』
青年は名前に自信のあるであろう 花を指差した。

その答えは 高野さんと呼ばれたお婆ちゃんの耳には届かなかったみたいで 紅梅と反対の一番近い樹木を見つめ
『この木は 何の木だかえ?』
『高野さん これは藤ですよ 藤の木』
『そうかえ 藤かえ』

ベンチに木陰を作るために組まれた藤棚のようではあるが 残念なことに そこに植えられているのはアケビの木であった。


それまで彼女に寄り添うだけだった青年が 彼女の肩をそっと抱き やさしく向きを反転させた。
『高野さん 紅梅が咲いてるんですよ ほら そこに』
『紅梅がかえ? どこにだえ?』

ぼくとその後ろにある 大人の背丈の二倍ほどの梅の木の方向を 真っ直ぐ凝視しているが 紅梅が見えないらしい。
小枝に沢山の花をつけたその紅梅は まだ痩せ細っているが 冬の殺風景な公園の中で かなり遠くからでもその存在感を主張している。

青年にゆっくりと背中を押され ぼくの真下で立ち止まり不思議そうに ぼくを見上げている。 ぼくは梅の花じゃないけど 軽く会釈することしかできないでいた。

『高野さん 違いますよ。 もっと前』

彼女は 梅の木に数センチまで近づいて 声を上げた。  
『あら! ほんとだ。 梅の花が咲いてるわね。 これは赤いねえ』 

見えるすべての景色がピンボケの中で マクロレンズのピントが合う距離まで近づかなければ その世界を知ることができない。

『高野さん よかったですねぇ』
青年は彼女の喜ぶ声を聞いて うれしそうに言った。

『高野さん 風も出てきたみたいだし そろそろ戻りましょうか?』
『そうだね 紅梅も見れたし よかったよ』



彼女にとって 花の名前が正しいか正しくないかなんて どうでもいいことなのだろう。
それよりも 話しかけられる相手がいるって方が 何倍も大切なこと。


何もしてあげられない ぼくなんて殺風景な景色の一部にしか過ぎない。









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太陽は惜しみなく光りを降り注いで 空は雲ひとつなく澄み渡ってはいるが 二日前に降った雪がまだ日陰に残っていて あたり一面の空気をピリッと引き締めている。

陽だまりの公園と呼ぶには まだまだ 暫く先のことだろう。



ちょっと恥ずかしいくらい 大きな声で
『元気かい 風邪なんかひいてない?』

いつしか殺風景な風景の一部にならないように 澄み切った青空の彼方 ここより寒いであろう土地に向かって 電波を飛ばした。 
 







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Canon PowerShot G11

南アルプスと八ヶ岳の谷間
2010.02.02 (Tue)







OLYMPUS CAMEDIA SP-565UZ

南岸低気圧
2010.02.01 (Mon)














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 なぜかこころが暖かくなるというのに 東京では雪になるらしいって 挨拶が飛び交っている。
 真夜中は 透き通るくらい空がひらけていて 明け方近く 十五の月が霞んでいった。

 ほら 昇りたての太陽は雲と 陣地の取り合いをしている。
 なにもかも白くなる前に こぼれたての光りを拾い集めてみるんだ。

 なにもかも上手くいくわけないってわかっているけど 何に期待して何を望んでいるんだろう。

 なにもかも白く塗られる前に たくさんの色を拾い集めてみるんだ。 











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Canon PowerShot G11

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  えび

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