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≪ ガレ場の女王 ≪ ≫ 雄宝香の咲くころ ≫

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こんなところに咲くのにも 理由(わけ)がある。
2013.07.27 (Sat)







車のなかで 寒さに震えていた。
震えていたといっても 肌寒いといった程度である。
だが 寝るのには寒さは不都合であった。

ついさっきまで 30度を超す大気の中で寝ようとしていたのだが 日は傾きかけたとはいえ車の中は 一向に気温も湿度も下がる気配はなかった。
せっかく 駐車場近くにある西の河原公園の大露天風呂で ひと汗流してきたというのに 台無しである。






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OLYMPUS OM-D E-M5






少し離れたキャンピングカーの年配夫婦が テーブルとイスを用意して 夕食の支度をしている。
それを横目に そっとリクライニングシートを深く倒して 目を閉じた。

年配夫婦の尽きることない会話が やけに耳元で聞こえているようで耳障りだ。
日本語であることは判るのだが 耳元あたりで聞こえてる割には会話の内容までは判らない。
その苛立ちとベトつく湿度と相まって 早くここから立ち去りたいと思う。 
その夫婦には何の落ち度もない。 日が落ちるまでにはまだ ゆうに一時間以上はあろうかと思われる時間帯である。
そんな時間に寝ようとしている自分に 落ち度があるのは判っている。 

一日中 一般道を走り続け 少々ダラケタ脳みそが このまま暫くすれば涼しく静かになると 末端神経への命令を阻止している。



意を決して目的地点まで登ることにした。
この場所に居るよりは 標高が少しでも高くなれば 今より涼しさが増すのではないかと考えたからである。







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草津白根駐車場に着くころには あたりはすっかりうす暗くなっていた。

駐車場入口近くに大きなバンが一台止まっているだけで 閑散としていた。
草津街の入口にある道の駅などは 車中泊の車でいつ来ても満杯で ここも相当数の車中泊の車があるのではないかと予測していたのだが 嬉しい誤算であった。

やはり標高が高くなると涼しかった。
これでゆっくりと寝れると思った。



リクライニングシートを倒し寝ころんだまま 暗闇の中 右手は後部座席辺りを弄っている。
確か 防寒ジャンバーがあったはず。
厚手の長袖Tシャツを着こんで寝たのだが なんだかうっすらと寒い。
防寒ジャンバー着こんでも こんどは足元が寒くて仕方がない。
防寒ズボンがあったはずと探すが 見つかったのは雨合羽の片割れのズボンのほうであった。
ないよりましと着こんではみたものの 肌寒さは収まることはなかった。

シートの下にはまだ一度も使っていない寝袋があるのだが それを支度する気力がもう残っていなかったし それを片づけることを思うと躊躇するのであった。
何しろ あのサイズに畳んで袋に入れるのは 至難の業のように思われたからだ。
まあ 信州弁で言うところの ”ずく無し”ということである。 

車のエンジンをかけ ヒーターをかけるのが一番の解決策なのだが 徹底したエコと自然環境を守ろうとする男である。
と言うのは ”うそ”で帰りのガソリンが足りなくなってしまうからである。
たんなる 貧乏人ということであった。 






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まんじりともしない時間を過ごしている。

時折通過する車が サーチライトのように照らし出してゆく。 そのたびに意味もなく鎌首をもたげ あたりを窺う。

一台のワゴンが間隔を置いて停車した。
暫くすると リアハッチが開き 暗闇の中 淡い暖色系の光が漏れた。
その光に浮かび上がるシルエットの男性が準備をし始めてるようだ。

本白根山には 出来れば一番乗りで日の出前に登りたかった。
そう思うのだが 寝たのだか寝なかったのかわからない気分で 身体はなかなか言うことを聞いてくれない。






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車の中の寒さは何だったんだろうと思うくらい 外気温は寒くはなかった。

駐車場トイレで 死ぬくらい冷たい水で 顔と手の肘くらいまでを何度も洗った。
あれだけ曖昧としていた意識も 身体の隅々まで明確になった。
意を決したら 準備は早いほうだ。







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L E Dのライトが月明かりも無い暗闇を 微塵の迷いも無く 行く先を照らしだしている。
昨年この場所に来ていなかったら この暗闇では登山口を見つけられなかっただろう。     

冷たく冷え切ったであろうスキーリフトが ベンチをだらりとぶら下げて 眠りに落ちたかのように佇んでいる。
その脇を静かにすり抜け 草むらにつけられた一本道を登った。

草むらはすぐに樹林帯となって 真の暗闇の中へと続いてゆく。






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  えび

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