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浄化されるべき魂
2006.05.08 (Mon)

heavenward060128-1.jpg
すこし曲がった腰をサドルに乗せて この坂をめいっぱいのスピードで 大きな自転車に乗っていつも駆け下りてきた。

「いつもあなたには やさしく良くしてもらって おばあちゃんほんとうに助かっているわ。」

こころが ザワって微風で ゆれて はにかんだ笑顔が地面に落ちた。

「ひとりが 気が楽でいいわよ。」
おばあちゃんが 女手ひとつで 三人の子供を育て上げたのを 知っている。

立派に独立した子供たちのことを 一生懸命に話す。
「一緒に住もうと言ってくれて 一緒に住んだんだけど やっぱりここの場所が一番いいから、戻ってきたの。 
孫もしょっちゅう心配して来てくれるから 嬉しいの。 
それに貴方たちが居るから 心強いのよ。」




この土地で、ここの場所で 小さなお店をやりながら 子供たちを育ててきた。
 
まだ自販機が 缶コーヒーを温められなかった時代。 
だるまストーブにお鍋をのせて ぼくらのために 毎朝 温めておいてくれた。



heavenward060128-2.jpgその店も いまはもうない。

「おばあちゃん 何にもしなくていいからってみんな優しくしてくれるんだけど やっぱり おばあちゃんね じっとしていられないの。」 そう言って また道路を掃きだす。
毎朝の日課の掃除は 店がなくなってからその範囲は 
広がっていった。
苦しかった思いでは 掃き清めるように。 
楽しかった思いでは 拾い集めるように。
感謝のこころを込めて。




どんなに苦しかった思い出の中にも 

立ち去れない場所がある。



おばあちゃんが 天国に召された次の日 ぼくは着慣れない真っ黒なスーツを着て 
関越自動車道の上から 真っ赤に昇る太陽のような満月を見たんだ。
それを見た途端 景色が歪んで滲んでしまった。  
いま思うと それが沈み逝く夕日だったのか 昇り来る満月だったのか よく思いだせないんだ。




あ ゝ 。   おばあちゃん  ぼくは ほんとうに優しかったんでしょうか。



いまなら ぼくのこころの隅から隅まで 覗くことが出来ますよね。

聞いたことのある同じ話しを 初めて聞いたように相槌打って ぼくはイラッとしていなかったでしょうか。  
おばあちゃんの 頼みを 面倒臭いなって 思っていなかったでしょうか。

「あなたには いつもお世話になっているから。」 って 唯一残った自販機の 売り物のタバコを いつも手渡してくれた。
「いつも貰っちゃって そんなに気を使わなくてもいいから。」 って押し返したその手から タバコが零れ落ちた。
思いやったつもりの心が おばあちゃんの顔を寂しくさせた。


あ ゝ 。   おばあちゃん  ぼくは ほんとうに優しかったんでしょうか。
いまなら ほんとうのこころで 話すことができますよね。




死がいつでも身近にあるのに 手を伸ばしても なかなか届かない。

あ ゝ  天国に召されたんだね。 って残る者に思わせる。 
それが去り逝く者の やさしさなんでしょうね。

去り逝く者の やさしい笑顔が生き残る者の こころを浄化させるのでしょうか。


fuyou051127-2.jpg

 うまれて生きて死ぬって言う ただそれだけの事なのに。



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  えび

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  えび

     
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